カスプハイトとは一体なにか?具体的な計算方法を解説!

加工理論

 カスプハイトとは、ボールエンドミルなどを使用して平面を加工した際に生じる、削り残しの山の高さのことを示します。カスプハイトはボールエンドミルの半径、ピックフィードによって求めることができ、以下の式で求められます。

以下、詳しく解説していきます。

カスプハイトの詳細について

カスプハイトとは?

 カスプハイトはボールエンドミルを使用して加工を行う際に生じる削り残りのことです。平面、曲面を問わず発生します。ボールエンドミルでの加工では加工パス同士の距離のことをピックフィードと呼び、カスプハイトはエンドミルのボール半径とピックフィードによって決まります。
 カスプハイトは幾何学的な理論表面粗さRzを求めるときによく使用します。このボールエンドミルでピックフィードをこのくらいにすると、このくらいの面粗さが得られるな…といった具合です。
 なお、カスプハイトは、「大きい径のボールエンドミルを使用する」「ピックフィードを少なくする」ことによって小さくすることが可能になります。

カスプハイトの使用例

 カスプハイトは主に、目標の表面粗さを達成するためのボールエンドミル径とピックフィードを算出するために使用します。以下に使用例を示します。

金型の中止上げをボールエンドミルを使用して行うとする。
目標の面粗さはRz12.5μmとし、ボールエンドミルの径は6mmとします。
この表面粗さを達成するためのピックフィードは・・・

カスプハイトの注意点

 カスプハイトはあくまでも理論的な表面粗さに過ぎません。実際の加工においてはボールエンドミルのR精度、工具先端の振れ、マシニングセンタの移動誤差、切削力による工具の変形・・・など、外部の影響によって計算値よりも表面粗さが悪化する傾向があります。なので、余裕を持った計算を行うことが大切になります。

 また、意外と見落としがちな点として、送り方向の面粗さが挙げられます。送り速度を上げることによって、ピック方向、送り方向の面粗さが均一になり、より効率的に均一な加工面を得られる可能性があります。ボールエンドミルを使用する際には、この点も注意して加工を行うとよいでしょう。

まとめ

  • カスプハイト(理論面粗さ)は以下の式で求められる
  • 実際の加工面は工具の振れ、工具のR精度などにより理論値より悪化する
  • 均一な面を得るためには送り速度の設定が重要

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