マシニングセンタにおいて重要な装置であるパレットチェンジャについて解説します。どのような機能を持った装置なのか、何のために使用されるかなど、詳細に解説していきます!
パレットチェンジャの概要
パレットチェンジャとは?
パレットチェンジャとは主に中、大型の横形マシニングセンタに取り付けられている装置の一種で、機内と機外のパレットを入れ替える装置のことです。構造としては大きな二股のアームによって機内、機外のパレットを持ち上げ、そのまま回転させ、パレットを入れ替えます。パレットを入れ替えることによって、連続で加工を行うことができ、機械の稼働率を向上させることができます。
なぜパレットチェンジャは使用されるのか?
パレットチェンジャは段取り時間の有効活用のために使用されています。実際の使用方法は以下の通りです。
- あらかじめ機外のパレットで段取りを済ませておく
- 機内のパレットの加工が完了したら、各軸をパレット交換位置に移動させる
- パレットチェンジを行う
- 搬出されたパレットの加工物を取り外し、再び段取りを行う。搬入したワークの加工を開始する
このように、パレットチェンジャを使用することで段取り中でもマシニングセンタを止めることなく作業を行うことができます。特に、クレーンを使用して段取りを行う中・大型部品は、段取り時間が長時間に及ぶものが大半です。このような段取り時間が長い部品でも、パレットチェンジャを使用することで機械を止めずに効率的に加工を行うことができます。
パレットチェンジャの使用上の注意点
パレットチェンジャを使用する際に意外に気を付けなければならない点として、ワークの重量制限があります。パレットチェンジャはチェンジ時に一度、アームによって持ち上げる必要があります。そのためパレットに重量制限が設けられており、オーバーするとアラームによって止まります。この制限がなかなかの曲者で、大きな治具や4面イケールを載せると最大積載重量の60%を占めてしまう、なんてことが発生します。加工を行う際には頭の片隅に留めておいてください。
いろいろなパレットチェンジャ
パレットチェンジャは今まで説明していた方式以外にも複数の種類があります。今、説明していたパレットチェンジャは「旋回方式(水平)」と呼ばれる種類で、横形マシニングセンタにおいては一般的です。そのほかにもシャトル方式という直線運動によってパレットを交換する方式も存在します。
まとめ
- パレットチェンジャは段取り時間の有効活用のために使用される
- パレットチェンジャを使用することで、加工と段取りを同時に行うことができる
- 最大積載重量や重心位置に注意!
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