前回はタッチプローブについて構造、使用用途などを簡単に説明しました。今回はタッチプローブのキャリブレーション方法に重点を置いて解説していきます!
キャリブレーションに必要な道具
キャリブレーションには様々な方法が存在しますが、今回は最も簡単なリングゲージを使用する方法について説明します。必要な道具は以下の通りです。
- 工具長を測定したタッチプローブ
- リングゲージ
- 工具長のわかっているツール
- ブロックゲージ
- テストインジケータとスタンド
大まかなキャリブレーションの流れ
キャリブレーションの大まかな流れは以下の通りです。
①タッチプローブの工具長を測定する
まず、タッチプローブの工具長を測定します。タッチプローブの工具長が間違っていると、Z方向のキャリブレーションの誤差につながるので、なるべく正確に測定しましょう。
工具長の測定方法はいろいろな方法があります。機内の測定器で測定する、ツールプリセッタで測定するなど…。また、工具長の定義もマシニングセンタによって異なる場合があります。タッチプローブの主軸端から測定球中心までをタッチプローブの工具長とするものが多いです。気を付けましょう。
また、タッチプローブの振れを出しておくことを忘れないようにしましょう。新しいスタイラスに変更した際などに大きく振れが狂うことがあります。プローブ上部についている調整ねじで調節を行うようにしてください。
②Z方向のキャリブレーションを行う
Z方向のキャリブレーションを行います。球でキャリブレーションを行う場合は球の上面でも一応、キャリブレーションは可能です。しかし、球の上面は基準を拾いづらいので、テーブル上やリングゲージの上などきれいな面でのキャリブレーションをおすすめします。
この時、ポイントになるのは、②の抵抗を感じるところです。これは100%人の感覚なので、作業者によってぶれが生じる可能性があります。
③XY方向のキャリブレーションを行う
Z方向のキャリブレーションが完了したら、次はXY方向のキャリブレーションを行います。XYキャリブレーションはテーブル上に設置したリングゲージの中心と径をもとに、タッチプローブのキャリブレーション量を算出します。多くのマシニングセンタにはキャリブレーション用のプログラムが用意されていることがほとんどなので、そちらのプログラムを使用してキャリブレーションを行います。
この時のポイントは②のリングゲージの中心を拾う作業です。キャリブレーションを精度良く行うためにも、なるべく正確に測定しましょう。
また、これらのキャリブレーションを行う時にはなるべく短時間で行うようにしましょう。機械の精度は外気温によって大きく変わってきます。それらの影響を抑えるためにも、なるべく短時間で行いましょう。
まとめ
- タッチプローブのキャリブレーションはXY方向とZ方向の2種類がある
- キャリブレーションはタッチプローブを精度よく行うために必要な作業である
- キャリブレーションを短時間で行うこと重要
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