[マシニングセンタ]機械座標系とワーク座標系の違いについて解説

今回はマシニングセンタを使う上で必ず必要な知識である機械座標系とワーク座標系の考え方について解説していこうと思います!

機械座標系とは・・・?

まず初めに機械座標系について説明します。機械座標系とはマシニングセンタの各軸の片側を0とした時の機械の位置を示します。つまり、X軸の片側から○○mm移動した場合、機械座標系はX○○mmと表現します。この時、各軸(X,Y,Z)が0の点を機械原点と呼びます。下図左側の状態が「機械が機械原点上にいる」と呼びます。
機械座標系は次に説明するワーク座標系を設定する際に重要になります。ひとまずぼんやりと覚えておくだけで大丈夫です!

ワーク座標系とは・・・?

ワーク座標系とは機械座標系上のある一点を原点としたときの座標系のことです。まあ、簡単に言うと、仮想的な原点といったところです。マシニングセンタに対して、この点を0mmと仮定して動けと命令するようなイメージです。

なお、ワーク座標系は機械座標系をオフセットさせている、と考えられるのでワーク座標系のことを「ワークオフセット」、「オフセット」なんて呼ぶこともあります。

なぜワーク座標系が必要なのか・・・?

理由は大きく分けて2つあります。

①段取りをより簡単にするため

下図のようなブロック材にドリルで穴を空けたいとします。もし、使用するマシニングセンタに機械座標系しかなかった場合、機械座標系上での位置でしか指令できません。すなわち、ブロック材を置く位置によって穴位置も変わってしまいます。穴を完璧な位置に空けるためには、ブロック材を正確に段取りしなければなりません。これでは非常にやりづらいですよね・・・?

そこで登場するのが、このワーク座標系です。ワーク座標系でプログラミングを行えば、ブロック材を段取りした後から座標系を設定することができます。なので、マシニングセンタのテーブル上のどこにブロック材を置いても加工可能となります。

②複数個の同時加工を可能にするため

また、ワーク座標系は同じ形状を複数個加工する際にも効果を発揮します。ワーク座標系は仮想的な点であるため、自由に移動させることができます。よってテーブル上にブロック材を複数設置し、ワーク座標系を変えながら同じプログラムを流すことで、複数個を同時に加工することができます。

まとめ

  1. 機械座標系は機械原点からの距離を示す座標系のこと
  2. ワーク座標系は機械座標系上のある1点を原点と仮定した座標系のこと
  3. マシニングセンタを使用する際は主にワーク座標系を使用する。ワーク座標系を使用することで段取り時間の短縮複数個加工への対応が可能になる

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