いくつかのメーカーのマシニングセンタがある場合、同じNCプログラムを複数のメーカーのマシニングセンタ間で使いまわすこともあると思います。その中で注意したい点としてNC装置の最小設定単位というものがあります。一体どのようなものなのか、解説していきたいと思います!
最小設定単位とは?
マシニングセンタにおける最小設定単位とは、そのNC装置内で入力された数値がどのように処理されるかを決めるものです。プログラムを作成する際、通常は「G00X10.0」、「G01Y30.0」のように少数点で記述することがほとんどだと思います。しかし、たいていのNC装置は「G00X1000」、「G01Y300000」のように、小数点がなくても動作します。小数点がない場合、そのマシニングセンタは最小設定単位で動作します。つまり、最小設定単位が1μmだった場合、「G01X10000」は「G01X10.0」ど同じ動きをします。
最小設定単位が違っていると・・・
例えば、2台のメーカーの違うマシニングセンタA、Bがあったとします。リピート品が多くなってきたのでマシニングAで今まで加工していたものをマシニングBでも加工しようとしました。同じプログラム、工具、段取りで加工しようとしたところ、切込み過ぎで工具が折損してしまいました。
こんなことを実際に経験したことがあります…原因は最小設定単位が2台の間で違っていたことです。マシニングセンタAの最小設定単位は0.1μm、マシニングセンタBの最小設定単位は1μmだったというわけです。
よって、プログラム全体が10倍に引き伸ばされてしまい、切込み過多で工具が折損してしまったということです。
まとめ
- マシニングセンタには最小設定単位が存在する
- プログラムに小数点をつけずに指令すると、最小設定単位で動作する
- 機械ごとに最小設定単位が違う可能性があるので、小数点でのプログラム作成が推奨される
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